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天才彫刻家『運慶展」を観て

2017 年 11 月 28 日 ブログ

彫刻とりわけ仏像は、その日の気分により笑ったり、泣いたり、怒ったりと印象が違います。
仏像の姿形は、経典や仏像を具体的に示す定めにより制約があるそうです。
時代背景によって異なっているかも知れませんが、私には表情、ポーズは皆、画一的に映ってい
ました。もっと云ってみれば、単純な曲線の反復で端正な造形物のように思っていました。
そんな折り、新聞で「運慶」、に焦点を当てた展覧会としては、最大規模という記事が
目に留まり、また、うちの店の松島の早逝した兄が、『運慶」研究の第一人者で、その功績により
「勲4等」を授与された事もあり、興味本位で見に行きました。
 澄っきった青空にうろこ雲くっきり、晩秋の上野の森は、紅葉が広がり、今年もあと何日か
等と、50分待ちの最後尾に並びました
 照明が少し暗く見にくい感がありましたが、千年の時空を超えてしっかりと我々を睨む様に
待ち受けている仏像群に、強い衝撃と迫力に圧倒されました。
特に感動したのは、八童王子の肥満した体型からひねった腰や手足が、今にも動き出しそうな
躍動感、生え際の毛筋が可愛いらしく、玉眼が語りかけてくるようです。
この比類なき魅力、戦慄する程の人間味溢れる芸術、ほとんど神々しいまでに輝いている。
これぞ、世界に誇る彫刻家「運慶」と快哉を叫びました。 と同時に、震災、戦禍を逃れ
長年の時を経ても、素晴らしい保存状態である事自体、神が宿っているのではと
知らず知らずのうちに、自然に手を合わせる自分がいました。
帰る道すがら『西郷」さんの銅像に、目まぐるしく変わる世の中、平和でありますように
とお願いしてきました。